このレビューはネタバレを含みます▼
読み始めは、よくあるタイプの死に戻りからの断罪回避モノに思えるのですが、それぞれのキャラの良さと純愛にすごく惹き込まれて一気に読みました。死に戻り前のヒーローとヒロインの報われなさ、ヒーローへのタイトル回収の瞬間に胸がギュッとなります。唯一の救いは弟が姉の真意に気付いた事です。後で振り返ると所々に伏線があり、それを踏まえて読み返すとより切なさが増します。
ヒーローとヒロインの一途さと苦しみに対して、元凶である王太子の方はブレまくりです。国の為の妃選びだとか言いながら、結局は障害がある恋にしか燃えない性質なのです。いつでも自分を慕ってくるヒロインには無関心だったのに、ヒーローといるヒロインには執着し始めます。ヒーローが邪魔をしているだけで、ヒロインに会いさえすれば何とでもなると思っている感じがずっと気持ち悪いです。より難易度が高い恋に夢中になる王太子は障害の無い皇女との恋はもうそっちのけで、こんなフワフワしたものの為にヒーローとヒロインが苦しんだのかと思うとやりきれない気持ちになります。