隣にりんごが届きました
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隣にりんごが届きました

にたもと

一方通行であることを受け入れる重さの話。

ネタバレ
2025年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 面白い、というよりは勉強になるのが強いかも。異性愛にしろ、同性愛にしろ、世界は一方通行の愛だらけなわけで、その重さに正面から向き合う話でした。要約すると、同性愛者が異性愛者に告白してフラれる過程で起きる齟齬を明文化している漫画。その過程で起きる同性愛者同士の妥協交際が絡めて描かれているけれど、それは同性愛に限らず異性愛者にも起きていることで、そこにセクシャルマイノリティ…同性愛が絡むと話が複雑に見えるわね、という錯覚でもあるのかも?。作家さんの伝えたいことはわかった。が、まとめるとルサンチマンの叫びとなってしまう。また、尺が長い。単行本1冊または2冊でまとまってほしい内容。大コマは効果的だが、使いすぎ感ある。3冊かけて結論がルサンチマンの悟りは疲労も強いかも※人による。私は満足感と同じくらい徒労感も来た。ただ、これは倫理書として絶対にハピエンしてはいけない話だから、徒労感を得るのは正しいことでもある。何度も読みたいとはならないが、同性愛について倫理観の低い中高年に教科書として読ませたい感はある。エンタメではなく、素晴らしい倫理書です。
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