それから、君を考える
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それから、君を考える

小松

お話ごとに涙が溢れた

2025年3月6日
青春はキラキラしているばかりではない。
すべての結末がハッピーエンドとは限らない。
そんなことは知っている。
だが、やはり高校生という時間は特別だ。
あの時代にしかない輝きや懸命さ、痛みもある。
「多感」と呼ばれる時代の、その時代にしか感じることのできない感情もあるだろう。

どの短編も素晴らしい。
お話ごとに涙がこぼれた。
自分と共通するエピソードはない。
けれど、高校生からはるかに生きた今の私も涙をこぼした。
登場する男の子たちのあの宝物のような時間の「感情」に共感したからだろう。
もしかしたら今その出来事が起こったら同じ感情を抱かないかもしれない。
けれど、彼らの気持ちを知っている。
私もかつてその時代を生きたから。
遠い過去を顧みて、痛みでさえも愛しいと感じる。
それから今も考える。
素晴らしい漫画だった。
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