このレビューはネタバレを含みます▼
作家買い。楽しみにしていたけど、今回は残念な気持ちのほうが強いです、すみません。攻めと受けの気持ちの高まりや関係性の変化といったものがあまり自然な流れに感じられず、心が春斗に好きだと言ったり可愛いと言ったりするのも、春斗が心に結局おとされるのも、唐突に感じた。恋から遠ざかっていた男が強引な年下に迫られおとされるという王道の展開に、王道のセリフややり取りがたくさん出てきて、ゆいつ先生独自の味付けみたいなものはあまり感じられなかった。
絵については、今回も攻めと受けの顔をきちんと描きわけてらっしゃる点はとても好感がもてた。また、特に春斗の表情に素敵なものがいくつかあってよかったのだけれど、ただ、他作品とくらべると色気と精気に欠けるというか、緻密さに欠けるというか、線も以前より弱い感じがして、どうされたのかと思った。本作の中では書き下ろしの濡れ場の体勢や体の書き方が一番色気があってよかったな。書き下ろし部分P193のバックでの絡まり方とか、お尻の密着具合とか好き。座位のアングルもよかった。
キャラはいまひとつ、ぐっとくるものがなくて、これは私自身の好みの問題でもあるけれど、きれいで無害な人物ばかりで、何か物足りなさを感じた。心は一癖あるキャラかと思いきや割りといい子ちゃんで無理なことはしないし、春斗の恥ずかしがり方はかわいいが過ぎて、もちろんこのようなキャラが好きな方もたくさんいると思うけど、なんというか、どこかでみたことがあるようなキャラで、ゆいつ先生は、ゆいつ先生独自の魅力的なキャラを書ける作家様だからこそ、残念に思えた。自分でゴムとローション準備してる春斗の積極性は好きけれども(笑)
先生が今描きたいキャラがこういうかわいい、クリーンな路線のキャラということなのかな。
いろいろ書いたけれどゆいつ先生の絵は唯一無二だと思うし、好きな気持ちは変わらないです。これからも先生を応援し続けます。
ところで、ゆいつ先生の作品でオムライス出てくるの久しぶり?「甘えたい獣」でハナちゃんがおばあちゃんと作ってたの以来かな?