このレビューはネタバレを含みます▼
狼姫と呼ばれる薬草師がヒロイン、全てを手に入れて退屈を感じている国王がヒーローです。
ヒーローが、狼を引き連れて野山を駆け回るヒロインを見初めて、駆け引きを始めます。
結果は分かっているけれども、すれ違いや思い違いでなかなか上手くいかず、寸止めが多くてヤキモキしながら読むお話で、とても楽しめました。
賭博好きな国、明るい国民、負け知らずの国王などの設定は面白く、最後まで生かされて良かったと思います。
仮面の男や、家宝の処方箋、お妃選びの最中に起こる事件など、多少ハラハラする面はありますが、お国柄もあり、あっさり解決します。
ヒーローとヒロインが、それぞれ影響し合い、生き方や考え方を見つめ直して変わっていく過程はとても素敵だなと思いました。
飼い犬のように出てくる狼は、ちょっとびっくりでしたが、生き方の象徴として使われ、イメージしやすかったです。
ヒーロー、ヒロイン共に、大人と子供の部分があり、お互いを補え合えるカップルで、相性が良さそうです。
ただそこが、計算された設定という感じが見え隠れしてしまい、読者として客観的に分析しながら読み進める感じで、物足りなくもありました。
私は、ヒロインに感情移入して泣き笑いしたり、ヒーローのキャラクターに萌え転がる様なお話が好みなので、星は4つです。
初めて読んだ作家さんなのですが、こういう焦れったくてヤキモキさせられるのは大好きなので、他の作品も読んでみたいなと思います。