午後の光線【分冊版】
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午後の光線【分冊版】

南寝

一回は見て欲しい作品

ネタバレ
2025年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごい、すごい物語を見てしまった感覚があります。薄く霧のようにかかる希死念慮、起点となる電車、日差し、拙い愛、親子の絆、そして辛く苦い過去。こんなにも悲しくなることがあるのかと、そして生とは何かを考えさせられる作品だと自分は思います。

想いが通じあった次の瞬間の事……未だに飲み込めてない自分がいる程です。最後のページの淀井くんの表情変化3コマで全て持ってかれました。
それと何より泣けるのが淀井の訃報を聞いたあと、村瀬の泣いている描写がなかった事です。泣き崩れてそのまま一緒に逝くのでは……そう思った自分がいました。でも、泣くどころか淀井の乳歯を見つけ出した時、どこか安心したように、大事そうに持っているのを見て号泣しました。
そして読み終わったあとに再度作品詳細を読むと、「ふたりのほの暗い青春に、光は差すのか。」結末を知った後だと余計に泣けてきます。

私はこれまで、メリバやバッドエンド系は苦手で避けてきました。あ、これバット系かも、と思えば読むのを辞めてしまうくらい地雷なんですが、読んでよかったと心の底から思う作品です。おそらく今自分は村瀬より泣いてます。それくらい胸が締め付けられる作品でした。良い作品と出会えたこと有難く思います。
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