怨霊になった天皇
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怨霊になった天皇

竹田恒泰

日本の歴史を変えた後鳥羽上皇の怨霊

ネタバレ
2025年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「怨霊」と言う言葉を聞けば、殆どの人は「菅原道真」「平将門」「崇徳天皇」の「日本三大怨霊」を逐一連想するでしょう。しかし、僕は「承久の乱」で怨霊化して「南北朝対立」の遠因になりました「後鳥羽上皇」を逐一連想します。後鳥羽上皇が隠岐国で崩御してから間もなく、四条天皇が12歳の幼さで、しかも不慮の事故で崩御し、それもあっと言う間に「後鳥羽上皇の祟り」だと言う噂が拡大してしまいました。そして約2週間の「天皇空位」の状態が発生した末に後鳥羽上皇の孫が「後嵯峨天皇」として即位しましたが、今度はその後嵯峨天皇自身が南北朝対立の遠因になってしまいました。ですから、四条天皇が長生きして子孫を残していれば「南北朝対立」は絶対に起こっていなかったでしょう。また、後鳥羽上皇は崩御する直前に「もし私がこの世での妄念に駆られて魔縁と化す様な事があれば、この世に災いをもたらすだろう。もし将来、私の子孫が皇位を継承したとすれば、それは私の力によるものだ」と言う内容の置き書きを残しました。こうなりますと、「四条天皇の崩御は後鳥羽上皇の祟りだ」と言う噂には、それも異常なほどの説得力がありますよね。
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