聖女のおまけは逃亡したけど違った？ でももう冒険者なんで！
さいばら花/凩はとば
このレビューはネタバレを含みます▼
異世界転移でチート能力を持った主人公が、その能力や知識を駆使して異世界を冒険したり開拓したり、人々を魅了したり…そのついでに年上男性の恋人ができるといった感じのお話です。そう、恋はついでな気がします…。さくさくと話が進む中で正直互いのどの辺りにひかれたのかよく分からなかったです。そして、周囲の人間が彼らを温かく見守ってる感じも。みんなどこで二人の関係に気づいたの？せっかく様々な視点で物語を進めていたのだから、そこをもっと掘り下げても良かったような…。でも、カイトとケビン、二人とも性格はすごく良くて、喧嘩やすれ違いはないので、そういう話が苦手な人には良いかもしれません。ずっと安心しかない。
カイトは、見た目や言動の幼さに、最初は苦手意識を感じましたが、それにはちゃんと納得できる理由があって、それが分かると印象が変わりました。異世界生活を全力で謳歌できて良かったねと言いたい。
またケビンは、彼には全く非がないのに廃嫡されてしまうけど、不憫な境遇でありながらひねたとこがなく、また、カイトに対しても彼の存在をすんなり受け入れて、なおかつそばにいるために強くなろうと前向きで聖人君子レベルのいいやつです。
ケビンの父親や聖女を持て囃す第2王子へのざまぁ展開は面白いと感じました。ただ、カイトによる浄化作業が終わった後は、本編その後というか、騒動一つなく、BL的展開もさらっとしていて丸っと番外編かと思いました。(番外編は別にあってびっくりしました。)
BL展開が少なかろうと、異世界ライフがきっちり書かれていたら十分楽しめると思うのですが、最初はともかく、だんだんと物語の進行が雑になっていき、分かりきった展開、単調さ、視点も急に第三者となり、それなのに読んでもなかなか終わらないページ数の多さ…ということに少ししんどさも感じました。すみません、なので★3で。
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