隣国の騎士は枯れかけの薔薇に愛を捧ぐ
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隣国の騎士は枯れかけの薔薇に愛を捧ぐ

西條六花/赤羽チカ

逃げるヒロイン

ネタバレ
2025年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ かつては皇帝の寵姫だったヒロインと、そんなヒロインに惹かれていく騎士のお話。
サスペンス要素もありながら、徐々に惹かれ合っていく2人の描写は淡々としていて、TL界によくあるワンナイトラブだの、すぐに同居だのという急展開ではないので焦れったいです(笑)
ヒロインはかつての自分に負い目があり、ヒーローは公女とも結婚出来る地位にある有能な騎士なので、「自分のような女は、早く離れなければ」と逃げまくります。
逃げるヒロインを追い掛ける展開は大好物なので、大変楽しめる作品でした。
ただ、ヒロインは先帝の寵姫だったので、ヒーローが初めてではないのが、読者にとってどうなのか左右するところです。
私はそこは気にしない(どころか、それがお話を切なくする要素でもあり)ので大丈夫でしたが、それでも極力、その描写はないに越したことはなくて。
ラストの『閨事に慣れている』という表現は、どんなリアルな描写よりもショッキングな表現でした。
読者の好みにもよりますが、秀作だとは思います。
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