魅了が解けた世界では
」のレビュー

魅了が解けた世界では

暮田呉子/春野薫久

考えさせられる内容、新しい視点だと思った

ネタバレ
2025年3月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ サンプルを読んだ時には追放された悪役令嬢が一番の被害者の立場で正当な復讐だと思っていたけれど、結論から言えば主人公格である元悪役令嬢も考えなしに前世の記憶からオーバーテクノロジーを提供する中身が転生者で、その上お花畑女だった。こうなってくると、無自覚でチャームを使っていた転生者の元男爵令嬢で王妃となった元ヒロインの方がよっぽど残酷な最後になっていて可哀想だと思った。一番かわいそうなのは劣等感を利用された王子ではあるけれど。ただ作者さんの目の付け所はとても素晴らしいと思った。この手の作品では、転生しただけの一般人がまるで天才かのように描かれがちだけど、本当にただの平凡な一般人が転生してしまっただけ、というのが分かりやすく描かれていた。ファンタジー的な要素を求める場合はこの作品はモヤモヤするけれど、リアリティーのある異世界転生作品としては斬新で素晴らしいと感じると思う。
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