どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます
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どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます

碧貴子/すらだまみ

拗れ具合がハンパない

ネタバレ
2025年3月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックが先で、その後にスピンオフ。ラノベと進んだけど都度楽しめた。コミックにあってラノベに無い部分もアリで。1巻ではアニエスの強がりと故の我慢強さが逆に健気さを誘って。一方のリュシーは素直になれないジレジレヘタレ。ただ、お互いを端で見ていた人間からは見てれば分かる両想いとか可愛すぎる。アニエスの片想いと思いきやリュシーもちゃんと想ってたとかキュンで。拗らせ捲った二人が想いを言葉では告げられても、心で解り合えなくて。ツンデレの極み。幼い頃に心を許したリュシーがアニエスの言葉でまた心を閉ざしてしまうのだけど、コミックではそこが画かれているのにラノベでは曖昧に。アニエスに何故自分が好きなのか?などと聞いたであろうリュシーにアニエスが「王子様だから」と答えるシーンがあって、リュシーはそれを言葉通りに地位と受けとるけど、アニエスの言葉の意味が「私の王子様」だったと知る。互いの言葉足らずで互いを誤解しまくり、互いの表情は見るけど心の中を覗かなかったことで拗れに拗れた二人が寄り添える様になるまで、その先へが楽しくて。
2巻ではオーブリー殿下も頻繁に登場し、生い立ちの詳細も明らかになる。そしてスピンオフでヒーローになるレオネルも登場して場が華やかになる。1巻での誓約魔法によってリュシーにとってはアニエスが唯一無二となるが、ある茶会を切っ掛けにその事について思い悩む。その日に起こったリュシーの行動に不審不安を感じてしまうことも引き金に、リュシーに飽きられたら、いつか誓約したことを後悔させてしまったらと怖くなる心がアニエスらしい思い込みの強さと行動力でとある雑貨屋に向かう事に。そう来るかとワクワクする展開と次はどうなる?ってドキドキでツンデレ展開が途端にデレ一択になったり。2巻に出てくる隣国の王女の愛読書がどういう経緯で誰によって記され、物語の主人公二人が何故にリュシーとオーブリー殿下に激似な挿し絵なのか、王女の恋は?アニエスとリュシーに子供は?とか3巻が出るんじゃないかと待っているけど出ない。続きを強く望む。
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