夜明けのポラリス
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夜明けのポラリス

嘉島ちあき

由良の心に寄り添えず……

ネタバレ
2025年3月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 好きな作者さんの作品で、3巻あるから読み応えありそうと期待して読んだものの、最後まで由良の心に寄り添うことができなかった。

亡くした人への想いを消したくない、思い出を無くしたくないと願って固まってしまう気持ちは理解できる。でも、自分に対してまっすぐ好意を伝えてくる羽賀に心が揺さぶられているのに、それを認めず、中途半端に受け入れて期待を持たせ、最終的に拒絶して逃亡。幼馴染みで友人の宮下には連絡するのに、羽賀のメッセージはスルー。もう、由良の自分勝手さと悲劇のヒロインぶるところが嫌になる。

漫画やドラマなどで何年も一途に思い続ける主人公がよく出てくるけれど、会える可能性が低い人を何年も思い続けるのは現実的でないし、主人公にそれをさせるなら相手にそれだけの魅力や二人に強い関係性がないと薄っぺらい話になってしまう。

1巻では少し鼻についた羽賀の性格が3巻ではいい感じに大人になっていて、そこは良かったと思う。でも、由良のまつげが目立ちすぎて、目元が女性に見えてしまう瞬間が多々あったのが入り込めない理由の一つではある。
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