夜明けのポラリス
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夜明けのポラリス

嘉島ちあき

北極星の交代

ネタバレ
2025年3月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 事故で亡くした恋人を忘れられない高校教師由良ちゃん(受け)を一途に思う元チャラDKカースト上位の羽賀くん(攻め)のお話。
3巻まで読んでも初読は「なるほど、両想いになってよかったね」くらいだったのが、少し寝かして再読したら…3巻でかなりグッときました!

由良ちゃんの、亡くした恋人への「忘れたくない、ずっと彼だけ好きでいたい、彼だけ死なせてしまったのに自分だけ幸せになりたくない」という気持ちと、強引にズカズカと心に入ってくる羽賀くんからのアプローチ、好きだと言ってくれるまっすぐな気持ちへの心の揺らぎが3巻で爆発しててたまらなかった…!切なくて涙出ました。

羽賀くんに関しては、最初はなんか調子良くてあんまり好きになれなかったんだけど、6年の月日でグッと大人びて…「6年も連絡を返してもらえないのは辛かっただろうな」と思っていたから、初めて2人が結ばれたときの羽賀くんの涙でもらい泣きしちゃいました。DKの頃はチャラくて生意気だったけど、でもどういえばいい子だったなぁ、と。

ちなみに結ばれた時の話でいうと、由良ちゃんの「嬉しくて、悲しくて、淋しくて、どうしようもなく愛しくて、苦しい」というモノローグが胸熱でまた泣いちゃいました。

北極星(ポラリス)って実は一つの星のことではなく、長い時間をかけていくつかの星がその位置に動いてるんだよね。由良ちゃんの今のポラリスが羽賀くんなんだな、と思いました。真白のことを胸に置きつつも2人で幸せになってほしいなぁ。

あと、2巻と3巻に番外編で触れられていた柊真の葛藤も私は好きで、最後に柊真の笑顔も見られて良かったです。
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