このレビューはネタバレを含みます▼
刺さりましたね。塩味先生の作品は別でも読ませて頂きましたが、作風はとても静かで低いテンションを繰り返し、読み手の心に優しくそして鋭く入り込んでくるのが特徴かなと感じました。静かな分、日常感が伝わり、まな板を叩く音や光、臭いまで伝わってくる感じがします。また内容は優しいんですが、ピリッとしてます。今作品については官能小説を思わせる扇情的さです。ガタイの良い男同士のエロ漫画。一方でエロ漫画だけに留めていないのが、やはり塩味先生。父と家政夫のを2人を慕う思春期の息子が2人の情事を目撃してしまうという、本来大修羅場を、塩味先生の制御力で見事に、とても静かにリアリティを持ちつつ登場人物達の魅力をあげていくという展開でまとめられていました。先生のお名前「塩味・ちる」をそのまま感じさせるヒューマニズムとBL感の塩梅に心が持っていかれました。