このレビューはネタバレを含みます▼
お話が散らかってしまったなー、という印象です。
多分編集さんも漫画家さんもホテル/旅館オーナーである両家のお父さんたちに感情移入してしまったんじゃないかな。
柳は婚約者のお父さんと自分の父と一緒に仕事の会食でホテルに来てるのにヒロインと会ってしまうの、迂闊としか言いようがない。
それでキスしているところを見られて婚約者の父に殴られて、謝罪を申し入れるため相手の会社に通い詰めるが会ってもらえない。
そんな折婚約者のご乱行が週刊誌に書かれて…
ってなってますけど、
ここから婚約者の父が「付き合ってなかったなら柳は悪くないしペナルティーなしの破談でオッケー、共同事業だけ続行な」とかなったら笑ってしまう。
ストーリーを丸めるにはそうするしかないんですが。
共同事業もろとも破談になって、地方の小さな旅館としてやりなおす、
ヒロインはおかみさんとして嫁ぐ、
というのが道徳的にはよさそうですけど、
共同事業でオーナー一家だけでなく従業員にもいい暮らしをさせてあげられそうだったのに、たかが初恋の彼女ごときのために…という気分になっちゃいそう。
ヒロインのひばりが年収1000万超えの集英社編集の職を捨てて地方の旅館のおかみになるのも、正直めちゃめちゃかわいそうだし。
このまま未完で終わるのが一番きれいな気がします。
なんで婚約者の父に見られちゃったんだ。
経営者の家に生まれて経営者として教育されてきたというキャラなのに。
それほどにヒロインのことが好きだったのね…とうっとりするには他の設定と描写がリアルすぎて…
描いている方や編集さんの常識や倫理観が社会人としてマトモであることと、連載ものとして読者を惹きつけるフックある展開がぶつかり合った結果、
不幸な袋小路にストーリーが入り込んでしまった感じがします。
星4つつけているのは、とても誠実に描かれた面白い作品だと思うから。
星1つ減らしたのとレビューの文章が批判ばかりなのは、誰も悪くない不幸な事故で物語が物語自身に殺されてしまったなあ…と思うから。
ここから大団円になれる道あるのかなあ。