婚約破棄されたのに元婚約者の結婚式に招待されました。断れないので兄の友人に同行してもらいます。
藍野ナナカ/先崎真琴
このレビューはネタバレを含みます▼
2巻で終わりかなと思いつつ、兄はどうなるの?? と、一抹の心残りがあったのだけど、3巻のアルベス編が出て良かったです。
最初に酷い目にあった兄妹のお話がスタートだったとは思えないくらいの良い結末になりましたが、不思議と出来過ぎ感は無いのです。
ルシアとフィルのシンデレラストーリーは、ルシアも意外と逞しいのだけれど、やっぱりフィルは「王子様」だなと思わせる幸福感があり、ほどよく“ざまぁ”なところもあって面白かったし、凄く好きなお話。
でも、3巻のアルベスとセシリアの話が最後に来たところで、さらに「良かったー!!」と思いました。
3巻はアルベスの話ではありますが、チラっと出てくるルシアとフィルの仲の良さや、きっとルシアは慣れない環境でも頑張ってるんだろうなと思わせてくれるシーンがあります。
アルベスの恋愛の敵はアルベスの生真面目さというか、不器用さだと思いますが、セシリアがあっさり(?)打破してしまいます。意外とこういうタイプの二人は平行線になるんじゃないの? という気もしますが良い感じの結末になりました。
どちらも酷い悪党みたいなのが出てこないお話なので、劇的な盛り上がりというか「コイツを倒したら勝ち」みたいなお話ではないのだけれど、ゴールは決まってる(わかっている)けれど簡単にはたどり着けないもどかしさが、非常によく出来たお話だと思います。そのせいで新刊が出るたび一気読みしてしまいます(笑)
もう終わりだと思うと、ちょっと寂しいけど、時々読み返したくなる大好きなお話です。
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