新装版 殺戮にいたる病
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新装版 殺戮にいたる病

我孫子武丸

うん十年ぶりの再読

ネタバレ
2025年4月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 手元に置きたくなくてメルカリで売って数年、急にまた読みたくなり新装版をポチる。すでに結末を知っていたから久々に読み返すけど頭の中で答え合わせするように読んだから最初に読んだ時とは全く違う感覚で読破、最初ほどのショックは無かったです。冷静に考えて読めて再読できてよかったです。一番可哀想なのはお母さん(稔の母)だなと当時は思ったけど今再読したら娘の愛が一番可哀想に思います。信一は死んでしまったのは可哀想だけど生きてたって生き地獄確定だし自○殺じゃないから天国行けるかも知んないけど娘の愛はこれからの人生長いけどもう全部台無しでしょう。まだ若いのに、一番可哀想。再読して改めて思ったのは外から見たら父親だけど中身は子どものままの父親って現代にもいるよねと思わせたこと。虐○死とかで捕まる父親とか。子どもに対して成熟した父親の対応を何一つ出来ないで、関係を育めず、いつまでもママの子どもでいる人。稔はずっと子どものままで、自分によく似て美しいママを性的に愛していたからママに似た人を好きになった。親に似た人を好きになるなんて話はよく聞くけどママを性的に好きなのはやばいよね。幼少期から脳が壊れちゃってたんだね。
家庭病理について触れた解説を読んで→どこの家庭も大なり小なり問題はあるよね。完璧な子育てをする完璧な父親、母親なんてないし。幼少期の子の教育をちょっと間違う親もいるだろうし。それが大幅に間違うと稔みたいな犯罪者を作ってしまう。稔の父親も暴力的でいい父親とは言えず、そんな父の言いなりで息子より父を選ぶ母親にも問題はあった。母親に性的に欲情した息子に対してあの時もっとあの父親が暴力と暴言で押さえつけず、優しく言って何がいけないのか諭してやれば、母親に対する性愛も暴走せず収まったかもしれないのに。どっちも親ガチャ失敗だね。ただ、あんな親から生まれた信一、愛はいい子に育ったよね。とくに兄ちゃん、あんな母親と父親じゃ普通グレるよ(涙)。
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