自由気ままな精霊姫
」のレビュー

自由気ままな精霊姫

比良純香/めざし/しょくむら

「自由気まま」なのは娘ではなく母では?

ネタバレ
2025年4月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ この物語の最初の展開だけを見るといじめられていたオリビアが助け出されて義母・義妹がざまぁされ、オリビアがシリウスに溺愛されて幸せになっていくお話のように描かれているけど根本は違うと思う。オリビアの母であり精霊女王であるシェラが「人間とはどういうものなのか」を知る為だけに見た目の綺麗な男(精霊は綺麗な物・者が好き)を利用して、子供(オリビア)を産んだだけに見える。
精霊である自分には分からない「人間というもの」がどう思い、どう行動していくのかを見たかっただけなんじゃないかと。
だから、娘がとりあえず簡単に死なないぐらいの年齢(10歳)までは一緒にいて、その先、自我を持つまでは放置していたんじゃないか、と思ってしまった。
題名が指し示す「自由気ままな」な部分が、オリビアを指している訳じゃなくて母のシェラの事を言っているようにしか見えない。
オリビアの事は母として、精霊女王の後継として、一応は大切に思ってはいるようには見えるけど、それ以上に人間の心を知る為のアイテムのように見ているような気がしてなんかモヤる…。
オリビアは全然気ままじゃなくて、色々気遣ったり、考えたりしてるいい子なのに。
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