雪と墨
」のレビュー

雪と墨

Marita

映画を一本見たような。余韻がすごいです。

ネタバレ
2025年4月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく美しい作品です。本当に3冊一気に読んでほしいです。最後まで読んで意味のある作品です。
浅葱の、途方もなく繰り返えされるタイムトラベルの中で、常盤との運命の出会いは、雪に滴る一点の墨のよう消えない、絶対的なもので、表題の雪と墨が素晴らしいなと勝手に思ってます。魂から惹かれあう常盤との運命の出会いが、切なく重なっては離れ、それでもお互いが互いの幸せを願っていて、切ないけど温かい感じがして、何とも言えません。描かれているのは何気ない普段の日常ですが、ふとした表情に思いが込められていて絵も綺麗です。常盤の短髪は微妙ですが笑
タイムトラベラーと転生者にそれぞれのルールがあり、最初は設定が複雑に感じましたが、個性豊かな登場人物達による説明もあり、見失う事なく読み進めることができました。設定も最後にいい形で全て回収されて、すっきりなるほどとなります。
なぜ浅葱の時代が常盤の時代ではなかったのかと、最後まで読むと理解できますが、誕生日に浅葱が消えてしまう場面は切なくて、泣きそうになりました。
でも、浅葱が消える直前に、常盤が絶対服従券を使って、誕生日にピアノを弾ようにお願いする場面があって、常盤は天寿をまっとうして、転生して絶対浅葱を探すと決めてたんだど思うと、またまた感動して、ただただ作者すごいと思ってしまいました。
あと、かすみそうの記憶は実は芯の部分は恋心から始まっていて、可愛すぎて。本当に色んな設定が素晴らしくて、すごいとしか言えません。
最後、浅葱の時代に女常盤と出会いますが、カラーページの使い方が絶妙で、浅葱の白黒の世界に世界が色づいていく感じが素晴らしくて、浅葱の長がったタイムトラベルが本当の意味で終わって、本当の意味で時間が動き出した感じがカラーで絶妙に描かれていて、本当に素晴らしかったです。
ぜひぜひ読んで下さい。
その後の2人の幸せな生活も読んでみたいです。
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