【単話】だって望まれない番ですから
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【単話】だって望まれない番ですから

燦々サンゴ/一ノ瀬七喜/杉町のこ

使用人の質は主人の質を表す

ネタバレ
2025年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説版を読んでいたのでヒーローの態度の理由は知っているが、それでも使用人の態度が酷すぎる。
ヒロインも高位貴族出身だからこそ、「使用人の態度=主人の意思」という常識を理解している。ヒーローとヒーローの側近だけが理解していない。
掃いて捨てるほどいる相手ならともかく、唯一無二であるはずの、天が下ろした「番」という祝福を、自分たちの作り出した身分や種族なんかで上下を判断して蔑視した。
結局は使用人たちの愚かさを放置したせいで番さえ失った。
足が地面に触れることすら恐れて大切に大切に扱わなければいけない存在を、致し方ない事情があったとはいえ放置したのは単純にヒーローの失態。
ヒロインは「四方天地が敵の中、幸せになれたはずの未来すら捨てさせられて、夫と夫の部下から絶え間ない軽蔑と侮辱を受けている」という立場。毒で暗殺されずとも遠からず命を絶ったと思う。

自分に忠誠を捧げた使用人すらまともに扱えずしてどうやって国を動かすというのか。
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