ゴールデンカムイ
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ゴールデンカムイ

野田サトル

愛さずにはいられない尾形

ネタバレ
2025年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ (私の中では)裏の主人公である尾形百之助、この存在に触れずに金カムを語ることはできない。
それくらい沼キャラです。
ほぼ最初から最後まで登場する尾形なので、色々な考察ができるくらい背景描写が多いのに、それすら真実(本音)なのかどうか分からないところが最大の魅力だと思います。
列車で鶴見推し同担拒否と発覚したシーンも、なんだか尾形なりに鶴見劇場に参加してるみたいな虚しさを感じました。愛を与えて忠誠心を集める鶴見のやり方だけど、愛が分からない尾形には通用しないし、余所見するからでしょうが!とプンスコしててもあれが心の底からの本音とはあまり思えない。勇作殿が頻繁に見えるようになってから、自分でも何やってるか分かってないような印象でした。
複雑なようでいて、見たまま単純なようで、やっぱり複雑で…という作品内の役割としてもキャラとしてもジョーカーすぎるというか、底が見えないおかげで何度読んでも味がする。
こんな沼キャラいていいのかよ、野田カムイ…。

また、尾形といえばの勇作殿も出番自体は少ないし、そもそも本人はすでに死亡してるのにバキバキに際立ったあの存在感。
父親にどんなに望んでも一切与えてくれなかったものを持って自分を兄様と呼んでついてくるわ、100%善意のハグをしてくるわで、そりゃ尾形も眩しすぎて神殺しもしてしまいますよね。
タイプの違う男前兄弟を世に送り出すとは、恐るべし花沢中将の遺伝子。

最後にどうでもいい妄想を。
逃走中に後ろから狙撃されてるのに手を広げて天を仰ぐシーンで、まさか尾形DTか?と思ったのですが、それ以前の戦闘でも普通に当たってた気がするのでたぶん違いますよね。旗手でもないし。単に麻酔とアドレナリンでハイになってただけかな。
でも元々警戒心が強いから無防備な状態は嫌がりそうだし、勇作殿にアホほどコンプこじらせてる超理論で純潔守っててもおかしくなさそうな…。
流石に違うと思いますけどね。
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