愛の奴隷になりました
」のレビュー

愛の奴隷になりました

李丘那岐/金ひかる

とりあえず、私の好きなものは見られる

ネタバレ
2025年4月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私が好きなもの
1.攻めと受け、お互いに好意を持っていて、かつ攻めの方がとにかく受け大好き!なのだけど諸事情で恋人の関係にはなれずにいるにも関わらず、やることはやってる。
2.やや強引なとこがあり、一見受けより余裕がありそうで、その実受けには頭が上がらない忠実なるワンコと見せかけてからの、絶妙なとこで受けの待てを無視してくるエセわんこ攻め。
3.受けはなんやかんやあるも悪いやつではなく、かといってわかりやすい善人でもない。
4.攻めと受けの甘すぎない、テンポよい応酬。
以上のようなものが好きなのだが、この作品でも上記が味わえて、そういう意味では私の萌えはまあまあ満足。
ストーリーとしては、高校時代と社会人時代とで分かれていて、途中一気に社会人時代に突入。早くに両親を亡くした雪景と、クソ金持ちの翔一郎。育った環境がまるで違う二人が、高校で出会い、ひかれ会うも、翔一郎の暴走の末に奴隷契約を締結、体の関係はあるが恋人ではないあいまいな関係を何年も続けるというお話が、テンポよく展開。雪景が弁護士になってからは、現在の事件と、雪景の過去も絡まりあい、やがて明らかになる真実、という感じで盛り沢山ながらも割りとすいすい読めた。
高校時代の雪景の、悟ったような、割りきったような発言、自分なりのプライドを持ったゆえの態度、食パン一枚を大事に食べてるようなキャラは私好みだった。一つ難を言うと、濡れ場のあえぎ声がかわいすぎるんだよな。もっと潔くうめいてほしい。
高校時代は周囲の同級生たちの絡み具合もわちゃわちゃしててよき。
大人になってからは、奴隷翔一郎の、奴隷らしからぬ偉そうで強引な感じが楽しかった。
ただ、雪景の「とにかく疎遠になるのが嫌だから、奴隷にならせよう」という思い付きは、なんとなく雪景のキャラに合わないような気がした。雪景のような、自分なりのプライドを持つ人物が、こんな風な形で人に執着するかな?

雪景には辛い過去があり、それが雪景の心をかたくなにしているのだが、「トラウマ」とか「辛い過去」を"安易に"使ってる感じがして、ちょっと残念。
雪景と翔一郎の軽妙なやり取りは好きなので、その楽しさを突き詰めてほしかった。
いろいろあるものの、私の萌えどころをつついてくれたし、セールで買えたからまあよしとしよう。
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