ダンキーナイト
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ダンキーナイト

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なんかそうじゃないのです

ネタバレ
2025年4月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読みながら、なんかそうじゃないと思ってしまった。
天敵であった元同僚と再会、そこからのあれやこれやがわざとらしいというか。
酔ってキスしてしまったり、ハプバーから波瀬が楳沢を連れ出したり、「分からせてやる」のセリフからのキスの流れとか、その波瀬のキスでとろけた顔して「頭が回らない」と考える楳沢とか、「BL好きな人はこういうの見せておけば喜ぶんでしょ?」という作為的なものを私は感じた。
波瀬が楳沢に、なかったことにしようと言い、楳沢が泣いたくだりとか、波瀬の過去の苦い経験とかも、ケンカップルたちが最後に結ばれる前のお決まりの葛藤とすれ違いを見せられたようで、「これやっておけば盛り上がるよね?」というこれも作為的なものを感じて、私の気分はさらに盛り下がった。
そしてもっとも残念なのは、結局「好きだ」なんてお互いに言いながらずこばこやって抱き締めあってるところ。
そうじゃないんだよ!私が求めてるのは!
なんでみんな、最初は天敵とかいいながら、結局最後は「好きだ、うふふー」におさまっちゃうんだ?!
ケンカップル好きはほんとにそれを求めているのか?
(ちなみに、私はケンカップル好きだけど、私が心から求めるのはいわゆるケンカップルともちょっと違うのである。)
もちろん、最終的に思いが通じあうハッピーエンドは私も大好きなんだけれど、普段はわいわいやりあってるのに、「苦しいけど幸せ」でぽーっとなったり、「可愛いこと言うなと思った」とほほ染めたりしだすと、あー、そっちいっちゃうかー、な気持ちになるし、「一生大事にする」とかの言葉も私にとっては蛇足。
違う!そうじゃないんだよ!そういうやり取りが似合うカップルならいいけど、そんなセリフはこのタイプのカップルに言わせると、なんか寒いだけなんだよ!
「事後ラー行くかー」みたいなノリはとてもいいと思う。このノリをもっと追求してほしい。
甘々うふふ要素は万人受けするのかわからないが、ケンカップルをやるならもっと本気で戦わせてほしい。余計な甘味と可愛げはいらんのだ。
なお、絵柄については、全体的に線にほどよい強さがあり、また、表情が豊かな点はよかった。体の描き方も色気と強さがあってなかなか好き。
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