午後の光線
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午後の光線

南寝

残酷で儚くて尊いもの

ネタバレ
2025年4月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ テレビで芸人さんが、非常に含みのある感じで面白い作品だと力説されていたのはこういうことかと…私にとっての地雷臭がプンプンでしたがレビューも見ずにネタバレ無しで読んで大正解。ただBL嫌悪の方はどう読むのか少し心配ですが。
家庭に居場所のない淀井。学校に居場所のない村瀬。特に村瀬のトラウマは大人でも耐えきれないであろうもの。
それぞれ腕に重すぎる荷物を抱えている少年たちが、手を取り合って進んでいけるかと思ったのに…
学校というのは何て残酷な場所なんだろう。母親というのは何て悲しい生きものなんだろう。
村瀬の日記があまりにも優しく思いやりに満ちていて、やるせなくて悲しくて…頭から離れません。
いつだって生と死は隣り合わせ。正気と狂気の境目なんて曖昧なもの。読み終わった後も、この作品の事を、彼らの事をずっと考えています。
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