ロマンチック・エレジー
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ロマンチック・エレジー

左藤さなゆき

ラメントとエレジーの2作品を通して

ネタバレ
2025年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「インザゲージ」で沼り、前作「ロマンチック・ラメント」も嵌まった作家さんです。「ラメント」のスピンオフ作品でしたのでこちらも続いて購入しました。
「ラメント」の方が好きで、あの時は良すぎる余りうまく書けなかったのですが二作品分の思いが弾けています。今。
オメガバースというと運命の番がテーマで、その二人は必ず幸せになる、一生を共にするという最高の愛のお話ですが。「ラメント」も今回の「エレジー」も運命じゃない方、運命に選ばれなかった方のお話でした。確かに運命の番は希少確率ですから、じゃない方が大半でしょう。そのじゃない方、「ラメント」で運命の番は絶対的幸福を得られると信じてやまなかった遊真くんの10年後。運命しか考えられなかった彼がどんな人と出会い愛するのかとても心配でしたので、このお話が読めて良かったです。遊真くんのお相手としては誉くんは最適でしたね。人種の殆んどがベータ。性別だけじゃない、人柄で相手を受け入れ、心惹かれて好きになり、愛し、愛されるものだと、運命だけじゃないんだということ、人を愛することがどういうことなのかを気付かせてくれた相手が誉くんでしたね。また性別に悩ませれていたのは遊真くんだけではなく誉くんも。オメガでない自分、相手の運命にはなれない自分をどれだけ卑下して生きてきたのかを思うと胸が痛みます。
末長くお幸せに‥本当によかった。
でもアルファの脅威や威嚇、独占欲フェロモンてベータの誉くんに判らないってことは、他のベータにも判らないんじゃないの?周りに誰もいなくなるほどってことはベータにも効きすぎる威力ですよね──凄まじい‥恐るべき遊真くん(笑)
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