愛欲オーバードーズ【単行本版】
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愛欲オーバードーズ【単行本版】

下野圭

クランケには残酷すぎる

2025年5月3日
このバース設定は、永遠のハピエンが望めないところに最初からトキメキもって読むことができなかった。クランケはドラッグと番うことでしか生きのびれないとなると、晩年ドラッグに先立たれても死ぬし番を解消されても死ぬんだから、若くても年老いても番のドラッグより早めに逝くしかない。存在自体が酷でしかない。
どうしても自主性が期待できない(クランケとしては生きづらそう)のと、シンデレラストーリーじゃないと残酷な境遇からは脱却できない(御曹司級ドラッグからの救い)構図が、このドースバースに浸りきれない一因のように感じた。実母がクズすぎるのも結局、ドラッグに頼らなきゃ→番わないと生きられない→いつまでもハッピーというふうには限らない、これが連想できちゃって、作中医師ドラッグの見せる一途さにも都合が良すぎるのではとねじ曲がった視線をもってしまった。
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