俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~
鍋敷/カワグチ
このレビューはネタバレを含みます▼
アニメを見たのがきっかけで、読んでいます。主人公は【パリイ】だけで、防御も攻撃すらなす素晴らしいスキル持ち。けれど、自分を攻撃スキルを持たない最低ランクの冒険者だと、自己評価は低い。他の系統のスキルも最低ランクのものながらレベルが高く、もはやランク分けの意味を成さないというのに! 「自己評価が低い」話は、イライラすることも多いのですが、こちらは違います。主人公ノールは、「ならばもっと修行しなければ」とひたむきに努力するし、自己評価は低くても、自己肯定感は高いので、「自分のできることをするだけ」と何事にもひるまずに、臆することなく立ち向かうのです。活躍を知る者は皆、ノールを【英雄】と見なしますが、彼は決して一人チートなわけではなく、周りの人から頼られ、そして頼れるんです。自己評価が低いからこそ、頼ることを厭わないのでしょう。そしてノールは誰にでも優しく、別け隔てがないので、周りの人も、快く頼るし頼られることを受け入れる。素晴らしい関係性が成り立っています。そんな主人公ノールを中心に話は進んでいきますが、だんだんと、この物語の世界観が見えてきます。これがまた、とてつもない拡がりで、まだまだ謎が多いです。小さき者(人類)と神々と呼ばれる者たちとの闘い。人類を管理する者の存在。そして何より、ノールはいったい何者なのか? これから益々面白くなりそうで、とても楽しみです。
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