ラムネの小舟
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ラムネの小舟

朝丘戻/犬居葉菜

完結してから読むんだった…涙

2025年5月7日
表紙にvol.1と書いてあったので、覚悟はしていました。朝丘先生のことだから、両片想いなのに誤解が生まれてすれ違ったまま離れてしまったまま次巻へ…!となったらどうしよう。でもきっと最後はハッピーエンドだから大丈夫…。と読み始めたものの見事玉砕!予想以上の衝撃に打ち砕かれています。
主役の2人は自然に惹かれあい、言葉を尽くして気持ちを伝え合い、お互いを思い合い、誤解やすれ違いも2人で共に乗り越えていく運命の番い同士。オメガバース作品においては、おそらく史上最強の理想のカップルなのに、先生独自の世界観がそれを許しません。
今まで数多のオメガバース作品を読んできましたが、オメガバース界において、アルファ性が蔑まれ、貶められている世界観というのは初めてかもしれない。それくらい基本設定は同じなのにほんの少しのエッセンスを与えるだけでこんなに違う世界観を描けるという点に目を見張りました。オメガに対しては良い抑制剤が生み出され、発情の苦しみはかなり軽減されるけれど、フェロモンはどうしても発されてしまい、それを感じられるアルファには抑制する薬の開発がほとんど進んでおらず、ただ強い本能に耐えることを社会から求められている世界観。
強者であることを求められ、常に苦しみを強いられる存在であり、ひとたび本能に負ければ犯罪者としてバッシングされる。
アルファとオメガが共にあることはアルファへの苦しみの道。運命の番は更に苦しみを増す存在。そんな世界観の中で運命の番として出会い、ひとつ壁を乗り越えたと思ったらそんな試練与えます…!?というところで以下次号。
はあ…。辛い。次巻はハッピーエンドだと信じて待ち続けます…。
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