僕らはこの手を離さずに
」のレビュー

僕らはこの手を離さずに

緒莉/上原た壱

縁があり過ぎて

ネタバレ
2025年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 10年単位の切れない縁ってものすごく理想的であって稀有だから、それだけで尊い作品。
お互い以外いないような、お互いにしか湧かないような唯一無二の存在感や感情ってどんなんだろうなぁってとにかく純愛好きだと憧れる。
雑多に読む中で、この作家さんは比較的現実世界がリアルに織りなすから勝手なイメージも膨らむ。
文章も好きだけど、場所のチョイスがさらに好き。
前作の旭川から札幌も馴染みがあってイメージ湧いてたけど、今作は個人的に桁違いに縁深い場所だらけ。
上野動物園はよく行くし、神保町勤務なので某カレー屋さんもよく行ったし、前職は品川といえばなホテル勤務だったので、何から何まで想像が膨らみ過ぎた。笑
パンダの子供の生まれた時の重さのやつとか、わかるよー!!!!ってなった。笑
そういう意味でもストーリーやキャラクターに加えてより楽しめた。
キャラクターについては、女の子主人公のキャラクターが比較的地味めででも自分がある子、男の子主人公はモテるけチヤホヤしてくる子に対して辟易してるから女の子主人公に興味持つこと。
お互いに家族環境が良いとは言い難いことで互いしか理解し合えない何かが生まれて、人目を忍んで少しずつ関係が出来上がるけど、結局子供のうちはその環境に抗えない。みたいな根幹は一緒なんだけど、やっぱり縁があればこんなこともあるのかな、あってほしいな、という細やかな設定や伏線が散りばめられてて心地よいテンポに展開。
なにより結局主人公の成長とそれでもお互いしかいない感じがやっぱ胸に刺さる。
好きな作家さんだなーと改めて思った。
またコミカライズして欲しいな。
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