或る下僕の愛執~嘘にまみれた令嬢は淫獄に溺れる~
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或る下僕の愛執~嘘にまみれた令嬢は淫獄に溺れる~

朱里雀/さんば

いろいろ妄想を掻き立てられるお話

ネタバレ
2025年5月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインが境遇から自分の気持ちに気付かないまま、主観での心の描写がされているため、そこだけを見ると性格が悪いし悲惨に感じる場面も多いです。
ただ、並行してあげられている心に浮かんだもの(こどもやまわりの幼い女性達への親心、駆け落ちを迫られて無意識に心中する未来を妄想することなど)から、相反するヒロインの性質や心の動きがうかがえます。なので色々と妄想が楽しいお話でした。
果てに幼い頃のヒーローとのじゃれあいを想って涙する場面は、複雑な幼少期を過ごしたヒロインの歪む前の綺麗な思い出とヒーローへの想いが感じられて思わず泣いてしまいました。
とはいえ、悲しい境遇や酷いことをされていることは事実だと思うので、最後の大団円にはほっとしました。
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