やっぱりトラウマがヒロインを苦しめる

ネタバレ

2014年10月31日

このレビューはネタバレを含みます▼ 両親の死後、厳格な祖父母の元で育てられたヒロイン。
遠縁から爵位を継いだ苦労人のヒーロー。
ヒーローには伯爵としての真面目な紳士の顔の裏に、本音を隠した顔があり、ヒロインの前に別々の人間として現れる。
ヒロインは裏の顔のヒーローに、素顔も本名も知らないのに純潔を捧げてしまい、責任を感じたヒーローが表の顔で、プロポーズします。
どちらにも惹かれてしまうヒロインは葛藤し、苦しみます。
表の顔のヒーローは、未婚女性に大人気なのですが、裏の顔もかなり素敵で、小中学生の頃読み漁った怪盗ルパンを彷彿させ、思わずうっとり。
水島さん作品に、ヒーローのトラウマは付き物とは分かっているものの、今回の設定ではいらないんじゃないか？と思ってしまいました。
後半は、お決まりの誰も愛せないヒーローが、ヒロインを傷つけて、ヒロインの心は粉々に砕け、でも改心したヒーローを優しく包み込むのですが、前半あんなに素敵だったヒーローも、いきなり逆切れしてから、段々傲慢で付き合いにくい偏屈な雰囲気に変わり、読みながらときめくこともなく、ただひたすら、ヒロインの幸せを祈るばかりになりました。
好きでこういう作品を読んでいるのですが、今回ばかりはがっかり。
出だしは面白かったのに、もう無理やりトラウマ引っ張りだして、トラブルを作ってしまった様で残念です。
ただ、ヒロインは祖父母と和解したし、祖父が結婚の時に贈ったプレゼントのエピソードも可愛らしかったので、その辺りは良かったです。
イラストは、本当に受け付けませんでした。

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RyoMe さん

(女性/50代) 総レビュー数：344件

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