【単話版】恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―@COMIC
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【単話版】恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―@COMIC

家守まき/永野水貴/とよた瑣織

謎の部分の設定

ネタバレ
2025年5月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ まだまだ謎だらけの部分の設定がしっかりしていて、最後には納得できることを期待している。
①瘴気耐性のある主人公の本当の両親について
②聖剣の真の主の資格
③未明の地の番人を「聖女」として称える国家称号にせず、極秘裏にされている理由

 主人公が、焦がれる男から妹の身代わりに死んでくれといわれるまでの流れはぐっと引き込まれたが、その息子に男の過去の優しかった回想を重ねてときめいている描写は、何度も同じことを繰り返すDV被害女のそれの様で全く同情も感情移入も出来ない。では男はどうするべきだったのか、全く対象基準には当てはまらないが、血筋と権力によって先ず自分が行くと申し出て勝負すべきだったろう。本人も「決して引き下がれない時がある」といっているのだ、これ以上の時はない。毎度主人公の舞踏会のパートナーをしていたのなら、死ななかったこの男も魔法は使えないが瘴気耐性はあるということになる。聖剣も味方についたろう。現に息子は権力によって未明の地に行くことを許されている。
 それでは物語にならないのだろうが、男に主人公がいまだにきれいな思い出として思われるだけの人間性はないということは間違いない。息子も母親も、男が主人公を死地に追いやったということを知らず、男は主人公のことを聖剣を盗んで追放された魔女だったと伝えているわけで、男と王家には盛大なザマァがなければ納得できない。
 王家としては、生贄が聖剣を持っていってしまったことは想定外だったのだろう。生贄が死んでいるなら安定している未明の地へ誰かに取りに行ってもらいたいということで、息子に取りに行かせたのではないだろうか。息子は未明の地の番人の役割も、死んでいることも知らされておらず、ただ魔女に盗まれたとだけ聞いているので奪おうとする。実際は番人は生きて瘴気を調整していたので、殺したり奪ったりすればまた生贄が必要となるはずだ。
 主人公と聖剣はそれをわかっているのだから、聖剣の主の資格がどうたら言っていないで、未明の地の番人を殺したらどうなるのかを伝えろよ、と思うが…。それで聖剣をあきらめ、王女の元に戻り真実を報告してくださいよ…である。

 王家は未明の地の番人が、本当に生きて番人をしていると知ったらどうするのか、である。国は聖剣を持つ番人の手に握られていると考えるだろう。さて。
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