弟や妹に嫉妬したことがある長子に刺さる

ネタバレ

2025年5月31日

このレビューはネタバレを含みます▼ 漫画版既読。小説版は結末が漫画と異なるビターエンドと聞いていたが覚悟して読んだ。本当に胸糞で、この世界のどこにも居場所がない主人公の幹が可哀想すぎる。
裏切り者の最低のクズの喬木さんと、居場所を奪っただけでは飽き足らず幹の唯一の拠り所だった喬木さんまで奪っていくクソ弟の樹には読んでいてサツ意しか覚えないんだが、小説版の結末は漫画版よりしっくりきたかもしれない。
だって、散々不幸だったところから手のひら返しの溺愛ハッピーエンドなんて嘘くさいじゃない？
幹が最後まで不幸で、諸悪の根源の祖母や薄情な両親、完璧超人の弟のせいで全てを奪われて、唯一自分を認めてくれたと思った相手もよりによって最悪のクズで、縋った手も冷たく振り払われて、最後は誰にも傷つけられない、二度と目覚めない夢の世界でようやく幸せに…。
うん、目覚めないほうが幸せだよ。喬木さん後悔してる風だけど、二度あることは三度ある。絶対三度目の裏切りが待ってる。親友の島崎くん以外は誰も信じられない。登場人物全員嫌い。
それでも高評価なのは、幹の辛い気持ちがめちゃくちゃ刺さったから。
要領が良くてみんなに愛される弟妹を持って割を食った、と感じたことのある長子は読んでほしい。泣けます。愛されたかっただけなのに…。
アンハッピーエンドを読んで、とことん沈みたいときもあるのです。

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せーさん

(女性/－) 総レビュー数：4件

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