見せかけのウエディング
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見せかけのウエディング

テッサ・ラドリー/はやさかあみい

強いヒロイン

ネタバレ
2025年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんと父親もヒーローも「揉めてるのは自分達、解決できるのも自分達」と思い込んでるだけで実際はヒロインがバリバリ仕事をこなしながら周囲への思いやりと気配りも持ち合わせヒーローと話をして父親と話をして、妹と父親が起こした事件の真相に辿り着き、ヒーローの心の傷も大きく癒され、さらに妻を亡くした傷から立ち直れていなかっただけと判った父親とも和解し、直後に誘拐されたけどカンテラをちょうど枯れ草が燃え上がる場所へと蹴り飛ばす冷静沈着ぶりで、全てを解決したのでした。「男でないのが残念」とヒーローが言ったけど、もし男だったら父親はとっくに引退、ヒーローもヒロインの部下におさまってたでしょうね笑。ラスト、ヒーローは決死の覚悟で愛を伝えてる感じだけど、ヒロインの表情を見ると愛されてることに気付いてたんですね。いやーいいお話でした。ヒーローが言うようにヒーローの名誉はヒロインと結婚したことで「冤罪だった」と認知されるし、亡くなった元妻も義兄の話だと「元々ヒーローの愛を信用していなかった」ということでヒロイン姉妹の夜這いがなくてもいずれ同じ結果になっていたんですよね。ヒーローが裁判しなかったのもヒロインが自死するのを避けたかったということらしいし。それならやはり、この結末は大団円と思えます。ドロドロ愛憎サスペンスになるはずだった物語が、ヒロインの冷静さと有能さによりハピエンになった。そういう話がいつだって私は読みたいんだ!と思える良いお話でした。
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