このレビューはネタバレを含みます▼
なぜ今日この時(※2025年6月現在)まで本作を読まなかったのだろう??きっとへそ曲りの性分から流行りものにのっかるのが気恥ずかしかったということなのかもしれない。現行作品(3月のライオン)で羽海野先生の作品を知り、本作へたどり着いたわけだが、なんていうか、、もう画風が好き 好きすぎる。とにかく心の機微を表情豊かに表現できる作家さんは、漫画家というだけでなくもう画家と啓蒙したくなる。自分の中のみの物差しとなるが、上手な作家さんは絵がうまいだけでなく、老若男女(ダブル・ミックス含む)の画き分けがとにかく巧い。 閑話休題、
物語は甘さより酸味と苦みが強い。それだけだとただ暗く辛いだけの作品になりそうなところで、欲しいところで欲しい量だけくだらなく笑わせてくれる。作者の物語の中でころころと転がされながら没入できることは、読み手に取って本当に幸せなことだと思う。
全10巻というサイズ感もまた絶妙である。 受け止め方感じ方は十人十色であろうが、最終巻の巻末で描写されたシーンは、年甲斐もなく声を上げて泣いてしまった。
もう二度と戻らない輝ける日々 は、どんな方にもそれが数年とか数日であったとしても必ずあったと思う。
かくいう拙にもそんな時代があったのか?と、甘く切なく、瑞々しい作品です。
羽海野先生、画集とか出してもらえへんやろか。。 最高としかいいようがない。