三度目の人生は冷酷な獣人王子と結婚することになりましたが、なぜか溺愛されています
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三度目の人生は冷酷な獣人王子と結婚することになりましたが、なぜか溺愛されています

倉本縞/北沢きょう

攻めの溺愛が甘々

ネタバレ
2025年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 星3.5です。

三度目の人生とありますが、正確には短期間のタイムリープものですね。
攻めに殺されたというのも、受けが殺される!と思った瞬間リープしてるので未遂です。

メインカプ2人の恋路と関係性については文句なしで大変好みです。特に両想いになってからのイチャイチャが甘くて良かった。

受けがややネガティブで強情ながらも程々のところでちゃんと素直に愛情を伝えるし、強情さが守られるだけではない男らしさにも繋がっていて良いキャラだなと思います。

攻めは三度目スタートの序盤からずっと甘々溺愛で、時折ある少し意地悪な言動も、受けが嫌なことは決してしない前提で可愛がりすぎて…というのが分かるのが良かったです。
三度目以前の二回では特別な仲にならなかった理由はきちんと読めばわかるようになっているので、溺愛っぷりにも納得できます。

ただ物語としては、伏線回収や解決がかなりお粗末でもあるなと思いました。

思惑のある国交で二度死にかけている、というのが前提のお話なのに、その肝心な点は一切解決しないまま終わってしまったので、この後どうなるんだろう?という。

"受けが攻めに殺されるのを回避する"という一点のみはクリアされていますが、その原因となった"受け母国の裏切り"については何一つ解決されていません。
攻めの国では不穏因子を排除して建て直していますが、受け母国側には何の働きかけもできてないので、このままでは裏切りは起こるし戦争は避けられないのでは…?
締めやあとがきを見る限り、続き物ではないですよね…?

キャラはすごく良かったのですが、壮大な設定を操りきれておらず、読後にツッコミどころが結構あった作品だなと思いました。
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