三島屋変調百物語
」のレビュー

三島屋変調百物語

宮本福助/宮部みゆき

コミックならではの

2025年6月14日
図抜けた筆力で独特の世界を書く宮部みゆきの原作をコミカライズ。行儀がよく、自己肯定感は低く、抱える咎ゆえに影のようにひっそり生きていたい語り部、というのは原作の設定だが、それをこういう姿、こういう瞳をした女性として描くのかと感心。しかし、原作にただ視覚的要素を付加しただけというのではなく、コミックならではの世界になっていて楽しめる。語り部自身が闇を抱えていて、それが他人事を語るにもバイヤスになるため、読み手はなにが「ほんと」なんだろうと目が離せなくなってしまう。
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