レイチェル・ジーンは踊らない 【連載版】
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レイチェル・ジーンは踊らない 【連載版】

村上ゆいち/Moonshine/ボダックス

個人的にメイン男性以外に推しが居ます

ネタバレ
2025年6月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 魔法が大好きなのに魔力のない主人公が、沢山の本を読んで仕入れた知識を刺繍という形なら、魔法陣や祝詞を発動できる事に気づいて、どんどんはまっていくのが、よくある無意識チートと違って面白い。

本人や周りの人曰く、【趣味】をたっぷり堪能したドレスを着てのデビュタントで、第二王子やその側近の目に止まり、魔術バカのヒーローに、うっかりと求婚されてしまうのも面白かった。

色々疑われて、諜報部員からは【黒】判定までされてしまうけど、本人と実際に会話すれば誤解だとわかってもらえるヒロイン補正。

ヒロイン補正と言ってもよくある【健気で魔力がないけど、周りの人の役に立つために一生懸命頑張っているんです】とかあざとヒロインではなく、あくまでも本人が楽しんでるところが好感もてた。

ヒーローも魔術バカなので、お互い楽しく魔法談義をしつつ、距離が縮まって行くのが微笑ましい。

でも私の中でイチオシは、お父さん。
貴族家なのに、長女は平民と結婚、趣味にハマりすぎている次女は結婚できなくても家にいていいよ、なんて思っているなんて、どんだけ子供ファーストやねん!と思いました。

子供を冷遇するとか、政略結婚のコマとしか見ていないとか、姉妹の片方だけかわいがると言う設定が多い中、家督の継続より、子供の好きにさせる親!素晴らしいではないですか!

どんなに趣味に没頭していても止める事なく好きにさせてくれた父親あってこその主人公だと思う。
そしてそんな父親に雇われている使用人達も暖かく主人公を見守っている、とても優しい環境でよかったね、主人公。

程よいテンポのギャグも、丁寧で綺麗な絵も、キャラの個性も、全てが秀逸な作品だと思います。
早く続きが読みたいです。
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