チ。―地球の運動について―
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チ。―地球の運動について―

魚豊

先人たちの教え

ネタバレ
2025年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私は、アニメから入ったものですが、終始ハラハラしながら毎話観ていました。例えフィクションであっても彼らが紡いだ記録、歴史が出版されて欲しかったと言うのが本音です。生きた時代が違い、記述者の名を残せば異端として捕らえられる可能性がある為、紡いできた先人たちはその者達の名を知らない「チ。」という作品に出会って、これは今伝えられている歴史上で名の残る偉人たち彼らの背後には歴史に埋もれた影の立役者がどれ程いるのだろう。後世に名が残ってもおかしくはない功績を残している人達の名が現代に語り継がれていないのだと思うと、何とも言えない気持ちになりました。宗教、思想というものは今でも存在します、日本は宗教の自由がある為、信仰心というものは他の国に比べ薄い。自分が信仰心の強い国に生まれていたなら、どうなっていただろう。「当たり前」それが教えだからと疑わないのか。それとも疑問を抱くのだろうか。宗教に限らず、独裁国家の場合はどうだろう。今の時代も独裁国家は存在しています。他国からの情報を閉鎖し自国のみの情報を人々に与え従わないものは力でねじ伏せる。チ。を観ていて強く感じたのが、自分の命を失おうとも己の信念を貫いた先人たちが居たから今自分たちの中に知識として存在している。独裁や思想はいま以上の発展は見込めない、時が止まっているのだと。……作品のラストについて賛否両論があるようですが、これは、作者さんがワザとそうしたのでは無いだろうかと私は思いました。チ。という作品はさまざまな部分に対し、読者に投げかけているポイントがありますが、何よりも「探求心」「好奇心」によって物語が動いています。矛盾を入れる事により読者の間では考察が生まれ、作中に登場した登場人物達のように議論される。私はあまりこう言ったジャンルの作品をみることは無いのですが、作品を見終え。ただただ感動しました。言葉でどう表現したら良いのかわからない…生きてほしかった。と何度も思いました。時代が違えば死ぬ事は無かった。けれどそれは、先の時代で犠牲になった者たちが道標となり今があるのだと思えば、道標となった先人達に感謝しかありません。ぜひたくさんの方に読んで頂きたい作品です
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