恋と地獄
」のレビュー

恋と地獄

今井大輔/COMIC ROOM

因果応報になっていない

ネタバレ
2025年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 第3話まで読みました。
リノは不貞行為に合意をして付き合っていた。
だとすれば弁えるべき一線があるはず。
新しい女に乗り換えられて腹が立つ気持ちは理解できるが、自分自身もハルオの妻から奪った立場である以上、他の女への心変わりを恨む道理や資格があるのだろうか。
不倫の恋に入れ上げていたがゆえの復讐の動機に義はないし、刑事上の罪を捏造してまで陥れるのは私怨を晴らすための手段としてもあまりに過剰だ。
リノはだらしない女なのではなく、自分を中心にしか物事を受け止められない幼い子どものような人なのだと思う。
確かにハルオの人格は最悪だが、この場合、一番の被害者はリノではなくハルオの妻子だろう。特にハルオの2歳の娘には何の罪もあるはずがない。
リノが果たした復讐のせいで、ハルオの妻子は平穏な生活だけでなく、ハルオから最低限の経済的安定を得ることもできなくなっただろう。
きっとハルオの娘は周りから白い目で見られ、心に傷を負い、父親を一生、物理的にも心理的にも断絶して生きていかないといけなくなる。
ところがリノはたった2歳の女の子に積極的に加害したも同然なのにもかかわらず、そのことに思いを馳せることすらしない。
後味が悪く、痛快なエンタメ復讐劇として楽しめなかったのでこの評価です。
後のお話で彼女達のその後が描かれていたらごめんなさい。
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