動物人間
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動物人間

岡田卓也

絵は結構グロで怖ひ……

ネタバレ
2025年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃は弱肉強食とは野生の理で、互助や福祉の思考を持つ人間社会とは無縁かのように教育されたものですが。社会保障制度を作って暮らすような人間社会にも弱肉強食は存在しているよな、と一度くらいは考えるのでは。1巻を読んだところですが、強者と弱者の関係性を見事に視覚化しているなと思いました。普段の生活では人間生活のスローガンともいえる理性でオブラートに包まれているけれど、紙一重でひとたび一枚めくられるとこのくらい残酷なことが起こっているとは思います。一生のうちにそういう現実にどのくらいの頻度で遭遇するか、どの程度の残酷さを体験するか、個人差はあると思いますが。人間社会の強さは武力なのか知力なのか他人を動かす社交力なのか、それらの複合なのか難しいですけど。そういった力で財力を維持できる人や自己実現できる人は強者といえるのかなと思います、そういう能力のある人たちの自己実現の先にある社会システムに諦めて従わざるをえない人々がいるのも事実。昔の映画じゃないけど優秀なリーダーなら組織も悪くないとか言って嬉々として従えれば幸せですが、必ずしもそうはならないのが能力はなくても自我は捨てられない人間の哀しいところでしょうか。とっても暗くて怖い漫画でした……読みたいんだけどストーリーとグロ絵がめっちゃくちゃ怖かったのでサッカーの試合を後ろでガンガン流しながら読みました……。
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