フェルマーの料理
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フェルマーの料理

小林有吾

全方面に解像度が低い

ネタバレ
2025年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず、大前提として、数学者として歴史的に大成するには天賦の才が必要で、主人公の『数式の正誤が見える』はほぼほぼその才に片足突っ込んでる部類。実際、高校三年の時点で学費免除の特待生かつ特別奨学金支給で成績は学年トップである。この経歴でここまで自己肯定感最底辺になる道理が、まず理解不能。
そして料理だが、主人公が作中で最初にナポリタンを作っている時点で、自分は食べたくなくなった。ケチャップの口を開けた状態で伸びた髪に接近させ、持った手の指で頭皮をかく、というシーンが描かれたためだ。そしてその後に、都内一つ星レストランオーナーシェフが長髪を纏めることなく客に挨拶・調理場に立った時点で、調理・料理に関しての解像度が底辺だと確信。
で、数学的思考と料理だが、料理する側からすると今更である。劇中でも主人公が「当たり前」として行っている描写があるが、料理が上手いとされる人間は本当に無意識でこれをしてる。トップレベルの料理人であれば基礎だろう。料理は数学的思考のもとに化学的手法で作られるものだ。何をいまさら、である。演出過多にしてごまかしてるが、他の料理マンガと内容は全く同じ。数式が出るか、服が脱げるか程度の違いである。
奇をてらっただけの平平凡凡な料理マンガ(解像度低)、というのが正直な感想。
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