みいちゃんと山田さん 分冊版
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みいちゃんと山田さん 分冊版

亜月ねね

現実世界のちいかわ

ネタバレ
2025年7月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ ざっくりと雑に言ってしまうと、これは現実世界を生きるちいかわとハチワレの物語。
ちょっと足りない主人公みいちゃんにとって、世界は厳しく辛く、痛くて冷たい場所。それでも必死に自分らしくサヴァイブしていく彼女が、初めて出会った優しい理解者が、山田さん(偽名)というキャバの同僚だ。
生い立ちから、知能、性格など全く異なる2人が、心を通わせながら、厳しい社会(主に夜の新宿)に揉まれ生きていく姿は、ときにハラハラされられつつも、いつの間にかほっこりしてしまう。
個人的には、最初みいちゃんを嫌っていじめ抜いていたキャバのイジワル悪女先輩が、いつの間にかみい虐に快感を感じ、みいちゃんを微笑ましく見るようになっていたのがリアルだなぁ、と。
夜職の女の子達は、クセのある子が多いイメージだけど、みんなそれぞれ魅力的な可愛い生き物で、ただし特性や運や、その他諸々のタイミングでいつ化け物になってもおかしくない時限爆弾的なところも含め、これはちいかわだったかもしれない女の子達の物語なんだな……と切なくなってしまった。
みいちゃんと似た境遇の幼馴染ムウちゃんは福祉の手が入りキメラ化を止められたけど、途中で飛んだADHDっぽい子はあのまま悪い方に転がっていくとキメラになっちゃうんだろうなぁ……
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