災禍の神は願わない
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災禍の神は願わない

尾羊英

セトが格好良いです!

ネタバレ
2025年7月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 舞台は古代エジプトで、神々が世の中を支配していた時代。エジプトの王は、豊穣の神オシリス。穏やかで優しく、先の王のヌトと異なり、戦なき政治を掲げる、人間たちにも慕われている賢王名君。一方、オシリスの弟神セトは気性が荒い戦いと砂漠の神セト。兄王の政治に不満を持ちながらも、幼い頃から唯一自分に優しくしてくれる兄・オシリスの事を誰よりも大切に思っている事が物語の端々から伝わってきます。
結末としては、エジプト神話通り、オシリスは死んでしまい、冥界へ行き、セトが次のエジプトの王となるのですが、セトとオシリスの心が通じ合うシーンは涙を流さすにはいられない程でした。BLとまではいかないですが、素敵な兄弟愛の物語で、エジプト神話でも、また別の解釈があるのだなぁと思い、読後感は凄く良かったです。
できれば、番外編で大人になったホルスとセトが対峙する物語を尾羊先生の作品で読んでみたいです。
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