このレビューはネタバレを含みます▼
鯛野ニッケ先生の美しくて優しい世界に没入できます。もう、美しいを通り過ぎて、麗しい!芸能人・美人の設定をパッと一目で納得させられる絵力に脱帽です!!
ストーリーはお芝居を中心に、小劇場の脚本家と人気役者の再会ラブとなっています。ただ華やかな芸能界を描いているのではなく、演じることの難しさや楽しさ、演じる人の準備やメンタル、脚本家と役者の関係などなど、演技や舞台を仕事とすることについて、シビアにかつ真摯に描いています。
主人公は攻めの辰彦と受けの真樹。辰彦が立ち上げた劇団で出会い、お互いに脚本家・役者として尊敬し合う2人だったけど、真樹がスカウトされたことをきっかけに劇団を離れ。。。という展開です。
お互いの才能を認め合い、尊重するがゆえにすれ違うのが切ない!辰彦は才能ある真樹を自分が縛りつけてはいけないと突き放すけれど、真樹は辰彦の脚本が好きで、辰彦が好きで、場所の大きさは関係なかったのだろうけど、5年間の空白を経て再会して、結果的に、真樹が小劇場に帰ってくるのではなく、辰彦が真樹のいる場所まで自分や劇団を押し上げることを選んだのが、めちゃくちゃよかったです。すごく優しくて、しっくりくる結末だったと思います。
恋愛展開に関しては、辰彦にも真樹にも感情移入してきゅんきゅんしっぱなしでした!特に辰彦の『〜しなさいよ』という言い方や『おいで』に真樹と一緒にノックアウト(笑)ローテンションでのんびりのっそりしてる感じがツボです!真樹は普段は懐いてくるかわいい後輩って感じなのに、舞台に立つと一気にキリッとなるギャップがよかったです!真樹が真樹であるためには辰彦が必要という、甘いけれど重い『クソデカ感情』に萌えました(笑)
あとオススメポイントとしては、カラー収録がありとても綺麗なのと、書き下ろしマンガがとってもえっちなのと(笑)、表紙裏の収録もありそれがマンガ形式なのがお得感アリなのと、デジタル限定マンガとシーモア描き下ろしマンガもあって、最後までたっぷり大満足でした!!