Happy Birthday ちとせくん【電子限定描き下ろし付き】
上野ポテト
「誰かの特別でありたい」が痛いほど伝わる
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
自分が空気みたいに感じる飲み会、相槌を打つだけの会話、誰からも祝われない誕生日。
自分の人生が、他人の背景になって薄れていくような、そんな虚しさが主人公から痛いほど伝わってくる…。
気心の知れた仲間や、大切な人と過ごした青春時代の回想を挟むことで、対照的に今の主人公の孤独が浮き彫りになって胸を締め付けられました。
大人になって人との関係が希薄になるにつれ、こういう虚しさ、寂しさは誰しも感じるようになるんじゃないでしょうか。
「誰かの特別でありたい」という心の片隅にある切実な思いに、深く突き刺さる作品でした。
最後にそんな主人公の願いが叶い、自分まで何だか救われたような気持ちになりました。
自分語りですが、ずっと前から好きだったノンケにフラれて、どこか穴が空いてしまった心に沁み渡りました…。ありがとうございます。
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