だってワタシ、120点だもの。
」のレビュー

だってワタシ、120点だもの。

本尾みゆき

毒親の連鎖を断ち切る

ネタバレ
2025年8月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ このワンピースは60点、デパコスでメイクして80点、ブランドの新作バッグを持って100点。この人は40点。あの人は15点。そんな風に自分も身の回りも採点してきたみさきだけど、自分の娘のむぎちゃんが取り柄がなく進みが遅すぎる、褒めるところが無いということが悩み。夫・恭平はイケメンで高収入、金払いも良くて120点の生活を送らせてくれるーーーみさきがなぜここまで採点して人の目を気にするのかと言うと、売れっ子小説家の母親が、みさきは何をやらせても60点とダメ出しをし水泳で自己ベストを出した日も金メダルでなかったからと水泳教室を辞めさせるような親だったから。話したくても甘えたくても、どんなに辛い日でも目をかけてくれるような親ではなかったから。ある時、そんな母親が自分の家に押しかけてきて、職場でも家でも幼稚園でも落ち着くことが出来なくなったみさき…大人になっても取り柄のない見下される自分にうまく息ができなくなり髪の毛も抜くようになってしまいます。ですが、恭平のはからいで、むぎちゃんと2人旅行にいっておいでと家から地域から仕事から脱出させてもらいます。その旅行のなかでみさきは力いっぱい抱きしめられ、みさきがいかにいいママなのかを力説され、心が一気に解けていくのでした。
子育てって過去に親からされた事を繰り返しがちで、各家庭によって全然スタイルが違うとは思うのだけど、わたしにも当てはまる部分があり心に染みました。自分の子どもをそのまま受け入れるのって、自分のコンプレックスを受け入れるのと同義だと思うんです。特にみさきは自分を許して愛してあげなければならないというハードルがありました。本当に辛かったし、良かったねとほろり。。。
みさきが嫌な女で天誅を浴びせられる漫画ではなく、毒親との呪いから決別する話で、親との確執や子育ての話をメインにしているいい漫画でした。
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