このレビューはネタバレを含みます▼
極悪主人公の非道な振る舞いに反感が湧きにくいのは、主人公が壊していく世界も十二分にどす黒いキャラが揃っているから。なるほど、という設定です。それと、これは個人の見解ですが、主人公の能力や物語の設定上、女性たちが手篭めにされていきますが、いわゆる官能的なエロチックさは感じませんでした。力づくで抑えられた姿勢や、弄ぼうとする権力者たちの醜悪な表情が描かれ、いいようにされた女性たちも魅力的ではなく自我を破壊され、魂を抜かれて堕落したような、だらしない表情であることが痛々しく見えたからだと思います。さらに綺麗な運命を辿れないところも。作品にもよりますが、私は今回のその表現で物語への共感性が湧きました。(こう言った流れで他作品では女性が魅力的な表情をしている時があります。その後もすごく可愛さが増したり。読者のターゲット層に合わせたり、登場人物に嫌悪感や罪悪感を持たないようにかな、と流して本筋に集中するようしていますが、違和感がかつこともあります。今回の作品はそれがなくて、主人公も相手もドス黒いんだ、と納得できました。私と逆の意見も当然あるでしょうし、本当に個人的な感想ですが)魔族の女の子のデザインや、第一話の海を見たり戦う時の表情に他のキャラとの違いも見え、ヒロインとして惹かれます。この子との関わりで主人公も今後少しかわったりするのかな…とおもいました。