『行方不明。』【単行本版】
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『行方不明。』【単行本版】

kanipan

暗いテーマだけど読みやすい1冊

ネタバレ
2025年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 執着、依存、共犯。テーマだけ聞くとかなり重そうですが、いい意味でさらっと読めてしまう作品でした。楓と亮、2人だけの世界にぐっと引き込まれて、気づいたら一気読み。逃避行という設定なのに暗さよりもひたすら濃密な時間に溺れていく感じが心地よく、夢中になりました。
亮の楓への執着ぶりはサイコパス級ですが、出てくる言葉は全部甘々。狂気と愛情が紙一重で同居していて、そのギャップにやられます。楓の可愛さと亮の尽くし攻めのバランスも絶妙で、エロ多めなのにちゃんと2人の絆が伝わってくるのが最高でした。
ラストは楓が服役する展開で少しあっさりですが、出所後に亮が迎えに来る場面が本当に美しくて、、!死んだ目ばかりだった亮が、楓を見た瞬間だけ見せる笑顔には胸を打たれました。暗いテーマを背負いながらも、2人の未来が続いていくんだと思えるラストで救われます。
そして番外編!求めていたイチャイチャがぎゅっと詰まっていて大満足でした。コスプレ回含め、可愛さとエロさが渋滞していて何度も読み返してしまいます。
今回初めてkanipan先生の作品を読みましたが、一気に大ファンになりました。繊細なタッチで表情がすごく色っぽく、楓のとろけ顔なんて何度でも見たくなるレベル。他の作品も早速読み始めています。
正直、まだまだ2人のその後や亮の8年間のことなどもっと知りたいことだらけなので、続編を心から希望します。共依存、狂気、激重愛、すべてが刺さった最高の一冊でした。
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