婚約解消を提案したら王太子様に溺愛されました ~お手をどうぞ、僕の君~(コミック) 分冊版
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婚約解消を提案したら王太子様に溺愛されました ~お手をどうぞ、僕の君~(コミック) 分冊版

やなぎりと/春風悠里

よくある話…ではなかった。

ネタバレ
2025年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 17話まで読み、続きが気になり原作小説へ。
最初はよくある話だと思って読んていたが、大きく違うのが、11歳の息子を残して事故死したのが主人公というところ。
9歳で前世の記憶を戻した主人公にとって攻略対象は皆息子のように思えてしまうが、唯一婚約者である王太子は結婚前に恋焦がれ何度もプレイした攻略対象ゆえに、ヒロインが登場したら婚約破棄されることを回避できるとは思えない。子どもの彼は息子のように見えていたが、ゲームスタートの年齢になるとかつて恋していた思いに変わる。他の攻略対象者たちは王子や暗殺者で、重責や母の愛に飢えていて、母の気持ちで悩みや相談を聞き、そして、酸いも甘いも噛み分けた大人の女の度量で彼らからの恋心に対峙した。それをずっと見続けていた婚約者である王太子は、自分は子ども扱いされていて、本当は隣国の王子を好きなのだろう?!と初めて積年の思いをぶつけるのだが、このシーンが一番ぐっと来た。いや、その前の隣国の王子の告白も暗殺者の瓦解も泣けた。そして、主人公が王太子に真実と息子への思いを伝えた時には、全てが納得できた。
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